Difference between revisions of "Sa.Na.Ra.Ra Script Scene 2"

From LAH Wiki
Jump to: navigation, search
(Uploaded partial script for scene 2 will upload the rest later)
 
(Finished uploading remaining part of scene 2)
Line 117: Line 117:
 
JA|0056||さっさとゲーセンにでも行こう。こんな場所に、いつまで居てもしょうがないし。
 
JA|0056||さっさとゲーセンにでも行こう。こんな場所に、いつまで居てもしょうがないし。
 
EN|0057||
 
EN|0057||
EN|0057||再び、駅前に向かって歩き始める俺。
+
JA|0057||再び、駅前に向かって歩き始める俺。
 +
EN|0058||
 +
JA|0058|和也|「しかし、さっきのはなんだったんだろうな…」
 +
EN|0059||
 +
JA|0059||今の時点で気になることは2つ。1つは何となく公園に来てしまっていたこと。
 +
EN|0060||
 +
JA|0060|和也|「まあ、これは只の気のせいだろう。たぶん」
 +
EN|0061||
 +
JA|0061|それよりも、さっき見た変な女の子。こちらの方が不思議と気になっていた。
 +
EN|0062||
 +
JA|0062|和也|「もしかして1年生の子だったのかな?」
 +
EN|0063||
 +
JA|0063||恐らくは俺と同じ学校なんだろうけど、特に見覚えは無かった。
 +
EN|0064||
 +
JA|0064||といっても、もちろん俺が、同じ学年や上級生の顔を全て知ってる訳じゃない。
 +
EN|0065||
 +
JA|0065||只、今の時期ってのは新しく入学してきた1年生が、気になる男子や上級生にアタックをかける時期でもあった。
 +
EN|0066||
 +
JA|0066|和也|「まさか…何かの間違いで、俺に気があってとか…」
 +
EN|0067||
 +
JA|0067||いやいやいや、いくら今がそんな時期だからって、それは無い。たぶん。恐らく。きっと。
 +
EN|0068||
 +
JA|0069||あーゆーのは、人気のある一部生徒だけのことだし、俺にはあまり…とゆーか、全く縁のないことだった。
 +
EN|0070||
 +
JA|0070||それに、もし仮にそうだったとしても、俺パスの対象だった。さっきの女の子の場合は、挙動が不審すぎるし。
 +
EN|0071||
 +
JA|0071||てなことを思いながら、再び、目的地であるゲーセンを目指していると…
 +
EN|0072||
 +
JA|0072|???|「じ~……」
 +
EN|0073||
 +
JA|0073|和也|「…うん?」
 +
EN|0074||
 +
JA|0074|???|「じ~……」
 +
EN|0075||
 +
JA|0075|和也|「てっ、またいるしっ」
 +
EN|0076||
 +
JA|0076|女の子|「え、えと、すみませんでした。 さっきは、つい逃げちゃったりして…」
 +
EN|0077||
 +
JA|0077|和也|「あ、いや、別にそれはいいんだけど」
 +
EN|0078||
 +
JA|0078|女の子|「こ、こんどは頑張りますから…」
 +
EN|0079||
 +
JA|0079||何を頑張るのか意味不明だけど、恐らくは気合を入れているらしい女の子。
 +
EN|0080||
 +
JA|0080||つか、さっきの挙動の方が気になるってーの。
 +
EN|0081||
 +
JA|0081|和也|「で、なにか俺に用?」
 +
EN|0082||
 +
JA|0082||そう言いながら、また彼女のそばへと歩き始めると…
 +
EN|0083||
 +
JA|0083|女の子|「わっ、そ、それ以上、来ないで下さいっ」
 +
EN|0084||
 +
JA|0084|和也|「へ? なんで?」
 +
EN|0085||
 +
JA|0086|女の子|「そ、その…こ、こころの準備があるんですから…」
 +
EN|0087||
 +
JA|0087||…よく分からん。つか、ますます分からん。
 +
EN|0088||
 +
JA|0088|和也|「ちなみにさ…なんでそんなに顔を隠すの?」
 +
EN|0089||
 +
JA|0089|女の子|「あ、えと、癖ですから、気にしないで下さい…」
 +
EN|0090||
 +
JA|0090|和也|「…癖? そうやって顔を隠すのが?」
 +
EN|0091||
 +
JA|0091|女の子|「な、なので、わたし…まともに男の人と話したことなくて…」
 +
EN|0092||
 +
JA|0092|女の子|「こ、これでも頑張っているんですから…」
 +
EN|0093||
 +
JA|0093|和也|「は、はあ、さいですか…」
 +
EN|0094||
 +
JA|0094|更に顔を赤くして、どもりどもりに話す彼女。
 +
EN|0095||
 +
JA|0095||うーん、これはもしかして…超恥ずかしがりなのか?
 +
EN|0096||
 +
JA|0096||どんな環境で育てばそうなるのか知らないが、目の前のそれは、演技とかじゃなく素のようだし。
 +
EN|0097||
 +
JA|0097|和也|「まあいいや…相変わらずよく分からないけど」
 +
EN|0098||
 +
JA|0098|女の子|「ど、どうも、すみません…」
 +
EN|0099||
 +
JA|0099|和也|「っで、その照れ屋さんが、俺に何の用なの?」
 +
EN|0100||
 +
JA|0100|女の子|「あ、はい、えとですね…」
 +
EN|0101||
 +
JA|0101|女の子|「……………」
 +
EN|0102||
 +
JA|0102|和也|「…どうかした?」
 +
EN|0103||
 +
JA|0103||何故かそこまで話すと、急に黙ってしまった女の子。
 +
EN|0104||
 +
JA|0104||相変わらず照れくさいのか、赤い顔をしているけど、まさか、本当に告白って訳はないだろうし…
 +
EN|0105||
 +
JA|0105||てなことを考えていると、まるで深呼吸でもするように大きく息を吸い込んで…
 +
EN|0106||
 +
JA|0106|女の子|「すう~~っ」
 +
EN|0107||
 +
JA|0107|女の子|「あ、あなたに、届けに来ましたっ」
 +
EN|0108||
 +
JA|0109|和也|「…はい? 届けにってなにを?」
 +
EN|0110||
 +
JA|0110|女の子|「い、一生に一度のチャンスを…」
 +
EN|0111||
 +
JA|0111|和也|「チャンス?…なんじゃそりゃ? つか誰が?」
 +
EN|0112||
 +
JA|0112|女の子|「あ…え、えと、その…わたしが…」
 +
EN|0113||
 +
JA|0113||これが、最初にこの子と出会った日のことだった。
 +
EN|0114||
 +
JA|0114||春の終わりを感じさせる陽気と、晴れ渡った空の下。どこかで、鳩とスズメも平和そうに飛んでいた。
 +
EN|0115||
 +
JA|0115||1週間で、最も気の重い…
 +
EN|0116||
 +
JA|0116||1週間で、最も気の重い…そんな月曜日のことだった。
 
</pre>
 
</pre>

Revision as of 03:45, 13 August 2010

Personal tools