Difference between revisions of "Sa.Na.Ra.Ra Script Scene 2"
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JA|0056||さっさとゲーセンにでも行こう。こんな場所に、いつまで居てもしょうがないし。 | JA|0056||さっさとゲーセンにでも行こう。こんな場所に、いつまで居てもしょうがないし。 | ||
EN|0057|| | EN|0057|| | ||
− | + | JA|0057||再び、駅前に向かって歩き始める俺。 | |
+ | EN|0058|| | ||
+ | JA|0058|和也|「しかし、さっきのはなんだったんだろうな…」 | ||
+ | EN|0059|| | ||
+ | JA|0059||今の時点で気になることは2つ。1つは何となく公園に来てしまっていたこと。 | ||
+ | EN|0060|| | ||
+ | JA|0060|和也|「まあ、これは只の気のせいだろう。たぶん」 | ||
+ | EN|0061|| | ||
+ | JA|0061|それよりも、さっき見た変な女の子。こちらの方が不思議と気になっていた。 | ||
+ | EN|0062|| | ||
+ | JA|0062|和也|「もしかして1年生の子だったのかな?」 | ||
+ | EN|0063|| | ||
+ | JA|0063||恐らくは俺と同じ学校なんだろうけど、特に見覚えは無かった。 | ||
+ | EN|0064|| | ||
+ | JA|0064||といっても、もちろん俺が、同じ学年や上級生の顔を全て知ってる訳じゃない。 | ||
+ | EN|0065|| | ||
+ | JA|0065||只、今の時期ってのは新しく入学してきた1年生が、気になる男子や上級生にアタックをかける時期でもあった。 | ||
+ | EN|0066|| | ||
+ | JA|0066|和也|「まさか…何かの間違いで、俺に気があってとか…」 | ||
+ | EN|0067|| | ||
+ | JA|0067||いやいやいや、いくら今がそんな時期だからって、それは無い。たぶん。恐らく。きっと。 | ||
+ | EN|0068|| | ||
+ | JA|0069||あーゆーのは、人気のある一部生徒だけのことだし、俺にはあまり…とゆーか、全く縁のないことだった。 | ||
+ | EN|0070|| | ||
+ | JA|0070||それに、もし仮にそうだったとしても、俺パスの対象だった。さっきの女の子の場合は、挙動が不審すぎるし。 | ||
+ | EN|0071|| | ||
+ | JA|0071||てなことを思いながら、再び、目的地であるゲーセンを目指していると… | ||
+ | EN|0072|| | ||
+ | JA|0072|???|「じ~……」 | ||
+ | EN|0073|| | ||
+ | JA|0073|和也|「…うん?」 | ||
+ | EN|0074|| | ||
+ | JA|0074|???|「じ~……」 | ||
+ | EN|0075|| | ||
+ | JA|0075|和也|「てっ、またいるしっ」 | ||
+ | EN|0076|| | ||
+ | JA|0076|女の子|「え、えと、すみませんでした。 さっきは、つい逃げちゃったりして…」 | ||
+ | EN|0077|| | ||
+ | JA|0077|和也|「あ、いや、別にそれはいいんだけど」 | ||
+ | EN|0078|| | ||
+ | JA|0078|女の子|「こ、こんどは頑張りますから…」 | ||
+ | EN|0079|| | ||
+ | JA|0079||何を頑張るのか意味不明だけど、恐らくは気合を入れているらしい女の子。 | ||
+ | EN|0080|| | ||
+ | JA|0080||つか、さっきの挙動の方が気になるってーの。 | ||
+ | EN|0081|| | ||
+ | JA|0081|和也|「で、なにか俺に用?」 | ||
+ | EN|0082|| | ||
+ | JA|0082||そう言いながら、また彼女のそばへと歩き始めると… | ||
+ | EN|0083|| | ||
+ | JA|0083|女の子|「わっ、そ、それ以上、来ないで下さいっ」 | ||
+ | EN|0084|| | ||
+ | JA|0084|和也|「へ? なんで?」 | ||
+ | EN|0085|| | ||
+ | JA|0086|女の子|「そ、その…こ、こころの準備があるんですから…」 | ||
+ | EN|0087|| | ||
+ | JA|0087||…よく分からん。つか、ますます分からん。 | ||
+ | EN|0088|| | ||
+ | JA|0088|和也|「ちなみにさ…なんでそんなに顔を隠すの?」 | ||
+ | EN|0089|| | ||
+ | JA|0089|女の子|「あ、えと、癖ですから、気にしないで下さい…」 | ||
+ | EN|0090|| | ||
+ | JA|0090|和也|「…癖? そうやって顔を隠すのが?」 | ||
+ | EN|0091|| | ||
+ | JA|0091|女の子|「な、なので、わたし…まともに男の人と話したことなくて…」 | ||
+ | EN|0092|| | ||
+ | JA|0092|女の子|「こ、これでも頑張っているんですから…」 | ||
+ | EN|0093|| | ||
+ | JA|0093|和也|「は、はあ、さいですか…」 | ||
+ | EN|0094|| | ||
+ | JA|0094|更に顔を赤くして、どもりどもりに話す彼女。 | ||
+ | EN|0095|| | ||
+ | JA|0095||うーん、これはもしかして…超恥ずかしがりなのか? | ||
+ | EN|0096|| | ||
+ | JA|0096||どんな環境で育てばそうなるのか知らないが、目の前のそれは、演技とかじゃなく素のようだし。 | ||
+ | EN|0097|| | ||
+ | JA|0097|和也|「まあいいや…相変わらずよく分からないけど」 | ||
+ | EN|0098|| | ||
+ | JA|0098|女の子|「ど、どうも、すみません…」 | ||
+ | EN|0099|| | ||
+ | JA|0099|和也|「っで、その照れ屋さんが、俺に何の用なの?」 | ||
+ | EN|0100|| | ||
+ | JA|0100|女の子|「あ、はい、えとですね…」 | ||
+ | EN|0101|| | ||
+ | JA|0101|女の子|「……………」 | ||
+ | EN|0102|| | ||
+ | JA|0102|和也|「…どうかした?」 | ||
+ | EN|0103|| | ||
+ | JA|0103||何故かそこまで話すと、急に黙ってしまった女の子。 | ||
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+ | JA|0104||相変わらず照れくさいのか、赤い顔をしているけど、まさか、本当に告白って訳はないだろうし… | ||
+ | EN|0105|| | ||
+ | JA|0105||てなことを考えていると、まるで深呼吸でもするように大きく息を吸い込んで… | ||
+ | EN|0106|| | ||
+ | JA|0106|女の子|「すう~~っ」 | ||
+ | EN|0107|| | ||
+ | JA|0107|女の子|「あ、あなたに、届けに来ましたっ」 | ||
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+ | JA|0109|和也|「…はい? 届けにってなにを?」 | ||
+ | EN|0110|| | ||
+ | JA|0110|女の子|「い、一生に一度のチャンスを…」 | ||
+ | EN|0111|| | ||
+ | JA|0111|和也|「チャンス?…なんじゃそりゃ? つか誰が?」 | ||
+ | EN|0112|| | ||
+ | JA|0112|女の子|「あ…え、えと、その…わたしが…」 | ||
+ | EN|0113|| | ||
+ | JA|0113||これが、最初にこの子と出会った日のことだった。 | ||
+ | EN|0114|| | ||
+ | JA|0114||春の終わりを感じさせる陽気と、晴れ渡った空の下。どこかで、鳩とスズメも平和そうに飛んでいた。 | ||
+ | EN|0115|| | ||
+ | JA|0115||1週間で、最も気の重い… | ||
+ | EN|0116|| | ||
+ | JA|0116||1週間で、最も気の重い…そんな月曜日のことだった。 | ||
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